01_構想を練る|Tobalog_Paperができるまで

01_構想を練る|Tobalog_Paperができるまで

工場見学やコンセプトメイキングなど、“モノができるまでの過程”を眺めるのが好きだ。だからこの本を世に放つときには、制作過程を公開しようと決めていた。せっかくなのでTobalog_Paperができるまでを、いくつかの章に分けて綴ってみる。

 

初日の出を見ると、なにか新しいことがしたくなる

オーストラリアの東海岸にあるサンシャイン・コーストという街に住み始めて3ヶ月が経った2024年の元日。僕は朝焼けが眩しい真夏のビーチで初日の出を眺めていた。毎年元旦になると、何か新しいことがしたくなる。日の出を見ながら自分と対話をしていると、ふとトバログを立ち上げてもうすぐ10周年ということに気づいた。

大学4年生、これまた元旦にトバログというブログを立ち上げてからはや10年。好きなモノやガジェットについて発信していたら、いつのまにか長いような短いような、そんな月日が経っていた。せっかくの大きな節目なのだから「モノとして手元に残る紙の本」を作りたいと思い、目の前の初日の出を見ながら、Tobalog_Paperの刊行を決めたのだった。

 

(とくにすることもなかったためのんびりと過ごしたオーストラリア東海岸の小さな街、サンシャインコーストにて。まるで夏休みが永遠に続くような心地で、ひたすら企画と向き合った)

 

なぜ紙の本だったのか

じつはブログを始めてからずっと、紙のZINEにあこがれがあった。世界観を写真や文章だけでなく、紙の素材や質感、サイズ、販売の方法までに、著者のアイデンティティが宿る。そのスタンスが、アルゴリズムやSEOを(少なからず)意識してコンテンツを作っていた僕にとって、羨ましい世界である。

じつはこれまでも何度か電子版のZINEを作ったことがある。LINEを登録してくれた人に配るためだったり、Kindleの本として自費出版してみたり。電子とはいえ、iPadの画面に表示されたページをめくると、紙の誌面をめくっているようでわくわくした。その頃は紙で出版する余裕もなかったが、10周年ならば紙で作っても良いような気がした。

 

(過去に作った電子版のZINE。とくにカバンの中身本は地味に1万部以上が手にとってもらえている)

 

テーマ選び

テーマ選びは少し迷った。雑誌のようにトバログの主なカテゴリをまとめていくのも良いし、ブログをまるごと紙の本にしてしまうのも面白い。写真集も作ってみたいとあれこれ考えてみたのだけど、トバログの軸はモノについて語ること。それは10年前から変わらない。とはいってもただのレビューだと味気ないし、好きなモノほど万人受けはしない。でもどうせ10周年なのだから、需要の高いおすすめではなく、僕が気に入っているモノをひたする載せようと思った。そんなわけで、テーマを「みんなはどうかわからないけど、僕が本当に好きなモノ」とした。

 

(ニッチすぎるモノから今はもう買えないようなモノまで、完全に自己満足で好き勝手いろいろなモノを掲載させてもらっている)


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